2017年1月26日木曜日

1p60(YX160)を常用するためのオーバーホールについて考えてみる1

1p60と言っても段々改良されて幾つかのバージョンがあります
ここではOORacingの呼び方に従って第一世代~第四世代と呼びます

第一、二世代

第三世代



2016年の12月に2台の1p60エンジンがエンジンオイルの交換のみで、それぞれ走行距離24000キロと18000キロを超えました。
不具合も無く、1~3シーズン位通して常用できる状態になったと思うので
耐久性を考えたオーバーホールについて書いてみたいと思います。
自分はチューナーではないのでパワーを上げる方法はわからないし書きません
むしろ4ミニのフレームに積むならストック状態でも十分なパワーだと俺的には感じます。そんな訳で書くのは常用を目指して耐久性を上げる方法についてになります


エンジンの仕様については

1号機:3世代目ベース
65x53 175cc ピストンはモダンワークスのTTMRC製 リングは付属品が糞なので別途WISECOを使用(2~3千円高くなってもいいからリケン製付属にして欲しいところです)
4バルブヘッド
ミッション&シフトドラムは zs155用 3,4速ギアのみ12vモンキー用を使用(GS3)

2号機:2世代目ベース
65x53 175cc ピストンはモダンワークスのTTMRC製 リングはWISECOを使用
2バルブヘッド 1号機(3世代目)のヘッドを使ってます 2世代目に比べて燃焼室がコンパクトになっています(圧縮が上がる) リテーナーとステムシールが接触する問題も完全に解決されました
シフトドラムはzs155用 ミッションはノーマルで 3,4速ギアのみ12vモンキー用を使用(GS3)


以下は各世代別に問題点と対策を簡単にまとめた表です

赤は問題有り
オレンジは対策が取られたものの依然問題有り
黄色は問題は出ないかもだけど手を加えたほうがよさそうに見える所
緑は問題なし
空白は現物が手元に無い等で不明

を表しています



ABCDEFGH
1
問題対策3世代目をオーバーホールする場合の優先度対策品等へのリンク
2
1世代2世代3世代4世代
3
腰上エキゾーストバルブのスプリングリテーナーがステムシールに接触する。結果煙を吐く
4
カムスプロケットに焼きが入っていないため摩耗が激しい自分で焼きを入れても結構いけますが、ポン付けの対策品も購入可能です対策品(OOR)
5
カム山の精度が悪い。エキゾースト側に開くでも閉じるでもない領域(0.3mm程度のリフト)がクランク角で20度近くに渡って存在した(ksr110のロッカーアームを使った場合、ストック品だと違うかも)
6
ピストンリングの質が悪い。オイルの消費が多く、ひどくなると煙を吐いたりコールドスタート時に圧縮が無くなったりもするリケン又は同等品に交換詳細は後日追記
7
腰下クランクシャフト大端部の遊びが大きい。10000キロもたないで大端部のベアリングが壊れる自分の走り方だと耐用キロ数30000キロ前後だと思われます(53mmストローククランク、累計走行距離32000キロで大端部のベアリングが壊れた)。安心感を持って常用するためには20000~25000キロでの交換が望ましいと思います
8
クランクシャフトのシャフト両端のネジが切ってある部分に焼きが入っていない
9
クラッチバスケットのゴムダンパーがすぐ壊れる対策品に交換する対策品(OOR)
10
クラッチバスケットとキックギアの嵌合部分が摩耗し遊びが大きくなり、クラッチバスケットが暴れて、やがて周りの部品を巻き込んで壊れるキックギア(二番目)とのクリアランスが大きくなり接触し難くはなったと思いますがゴムダンパーの質が悪いので対策品に交換する他ないと思います。対策品は67丁なので一次減速比も変わります。耐用キロ数は伸びますが(20000キロ以上を確認)構造上の欠陥は改善しないので消耗品だと割り切ってフルオーバーホール毎に交換すれば良いと思います。デイトナのアニマやZONGSHENの1p62では改善しているようです(キックギア(鉄)がプライマリドリブンギア(鉄)と嵌合うようになっている)
11
キックギア(2番目)とキックギア(3番目)の噛合の位置がおかしくキックギア(2番目)がクラッチバスケットを傷付けるシムを使って調整する。キックギア(二番目)の位置を0.5mm程下げる
12
遠心オイルフィルターの鉄とアルミの圧入部分から破断する
13
メイン側3速ギアの4速ギアをロックする爪が折れるZONGSHEN zs155のミッションとモンキーの3,4速を使います。右クランクケースのカウンターシャフト側のベアリングを別のものに交換する必要が有ります。詳細は後日追記します詳細は後日追記
14
メイン側3速ギアのピッチング摩耗
15
カウンター側3速ギアのピッチング摩耗
16
シフトドラムストッパーアームの座面のワッシャーがカウンターシャフトの右クランクケース側ベアリングを押し込んでいる
17
カウンターシャフトにスラスト方向の遊びが全く無いシムを薄いものに替えて調整します
18
シフトドラムを固定するワッシャーがクランクケースとの当たり面を摩耗させる。結果シフトドラムのスラスト方向の遊びが大きくなりシフトが渋くなったりギア抜けが起こるようになるワッシャーの替わりにベアリングを使用します。フォークの摩耗度合いによってはドラムも交換します。詳細は後日追記します詳細は後日追記
19
クラッチの切れが悪い。結果ギアチェンジが渋く、ジャダーを生じる場合があるフリクションディスクを交換します。全部交換しても良いですが、クラッチを押した時に隙間が出来にくい手前側の二枚を切れやすいタイプのフリクションディスク(昔はコルクベースとか言われたもの。現在はアラミド繊維を使ってたり、ペーパーベースでもコルクの特性を有しているとか説明あったり、素材で分けてもよくわかんないので、切れやすい物、切れにくい物、という区分分けで良いと思う)に交換することでほぼ改善します。必然的に半クラの領域は狭くなります。詳細は後日追記します詳細は後日追記
20
右クランクケースのメインシャフト側のベアリングが壊れる(20000キロ以上の走行)品質が悪いと言われる中華ベアリングですが累計走行距離55000キロ以上で壊れたのはここのベアリングだけです(ボールの支持器が剥がれた)。理由はまぁわかる感じです(遊びが大きくバランスが悪いわりに高速回転するクラッチバスケットの根本にある)。対策はNTNに交換します
21
オイルラインがいいかげん(シール材を使っていない)対策してませんw(対策案は有るんですが・・)
22
オイルフィルターがあまり意味をなしていない(オイルはフィルターを通らないで迂回できる)対策してませんw(対策案は有るんですが・・)
23
オイルポンプのガスケットが無い作っても買ってもいいが、液ガスで十分だと思う
24
オイルジェットの穴が無い
25
ネットで得た情報(未確認)キックで右クランクケースが破損したりキックペダルが折れたりするらしいなったことが無いため不明。ラフキックやCDIのミスマッチが考えられる(モンキー用のCDIを使うと始動時で35~37度の進角も有りえるため、バックファイア(ケッチン)によって起こり得る・・かもしれない・・想像ですが)
26
クラッチプッシュロッドが削れるらしいなったことが無いためわからない。しかし対策品が販売されている。海外ではミニモトクロッサーみたいな使い方が多いようなので半クラを多用するとなるのかな・・?

例えば第三世代の1p60をオーバーホールする場合、
表の優先度が高と中になっている項目を中心に行います。
具体的な手順についてはおいおい追記していく予定です

つづく


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